簿記3級 商品有高帳|先入先出法と移動平均法の書き方
商品有高帳は、商品の出入りと残高を数量・単価・金額で記録する補助簿です。第2問で問われることがあり、手を動かして慣れておく価値があります。
詰まるのはいつも払出単価です。同じ商品を違う値段で仕入れているとき、売った分をいくらとみなすか。そこに2つのやり方があります。
帳簿の構造
受入・払出・残高の3つの区分があり、それぞれに数量・単価・金額の列が並びます。仕入れたら受入に、売ったら払出に書き、残高は毎回更新します。
**書くのは原価だけ**です。売価は一切出てきません。ここを取り違えて売価で払出を書くと、以降の残高がすべて狂います。
先入先出法
先に仕入れたものから先に払い出したとみなす方法です。単価の違う在庫が残っている間は、残高欄を単価ごとに分けて(波カッコで括って)書きます。
売ったときは古いほうから順に充てます。1回の払出で2つの単価にまたがることもあり、その場合は払出欄も2行に分けて書きます。
在庫として残るのは新しく仕入れたものになるので、値上がり局面では期末在庫が大きく、売上原価が小さく出ます。
移動平均法
仕入れるたびに平均単価を計算し直し、その単価で払い出す方法です。残高欄は常に1行で済みます。
平均単価=(残高金額+受入金額)÷(残高数量+受入数量)。仕入れの都度この計算をやり直すので「移動」平均です。
割り切れない数字が出るときは、問題文の指示(円未満四捨五入など)に従います。指示を読み飛ばすと以降が全部ずれます。
値引・返品の扱い
仕入戻し(返品)は、受入の取り消しなので受入欄をマイナスで書くか、払出欄に書いて残高を減らします。**単価は仕入れたときのもの**を使います。
売上戻り(返品)は払出の取り消しです。払い出したときの単価で受入欄に戻します。新しい平均単価で戻すのではありません。
仕入値引は数量が動かず金額だけ減ります。移動平均法では単価が変わるので、値引後の金額で計算し直します。
売上総利益とのつながり
商品有高帳の払出金額の合計が、その期間の売上原価です。売上高から引けば売上総利益が出ます。
第2問では「売上総利益はいくらか」まで問われることがあります。売上高は売価、払出は原価。混ぜないように分けて集計してください。
どちらの方法でも在庫の数量は同じ
先入先出法と移動平均法で変わるのは金額だけで、数量は変わりません。もし数量が食い違ったら、方法の問題ではなく転記のミスです。
検算として、受入数量の合計−払出数量の合計=期末残高数量が成り立つかを確かめると早く見つかります。
よくある質問
- 先入先出法と移動平均法、どちらが出ますか?
- どちらも出題されます。問題文で指定されるので、両方書けるようにしておく必要があります。
- 商品有高帳に売価は書きますか?
- 書きません。原価だけを記録する帳簿です。売価が出てくるのは売上の計算のときだけです。
- 総平均法は3級で出ますか?
- 3級で問われるのは主に先入先出法と移動平均法です。まずこの2つを確実にしてください。