簿記3級は意味ない?|取って変わることと、変わらないこと
「簿記3級は意味ない」という意見は、検索すればいくらでも出てきます。まったくの的外れというわけでもありません。ただ、どういう意味で言われているのかを分けて考えないと、判断を誤ります。
ここでは、その主張の根拠として挙げられがちなことを1つずつ確認し、実際に何が変わるのかを中立に整理します。
「意味ない」と言われる主な理由
よく挙がるのは次の3つです。どれも、一面では当たっています。
- 3級だけでは転職市場で決め手にならない
- 実務は会計ソフトが処理するので、手で仕訳を切る場面が少ない
- 取得者が多く、希少性がない
転職の決め手にはならない、は事実に近い
経理職の求人で条件として挙がるのは、多くの場合2級以上です。3級だけを理由に採用が決まることは期待しにくいのが実際のところです。
ただし、未経験から経理を目指すときに「何も持っていない」状態との差はあります。3級は入口として機能しますが、それ単体でゴールにはならない、という位置づけです。
会計ソフトがあるから不要、は逆
ソフトが計算してくれるのは、どの勘定科目にいくら入れるかを人が指示したあとの話です。入力する内容を判断するのは人間で、その判断の言語が簿記です。
むしろソフトが自動化してくれるぶん、間違った入力に気づけるかどうかで差がつきます。出てきた数字がおかしいと感じ取れるかは、簿記を知っているかどうかで変わります。
取って実際に変わること
3級の範囲を終えると、次のようなことができるようになります。
- 決算書(損益計算書・貸借対照表)がどう作られるか分かる
- 会社の数字を見て、利益と現金は別物だと理解できる
- 経費・売上・資産・負債という言葉を、感覚ではなく定義で使える
- 2級以降や、会計の周辺分野へ進む土台ができる
取る価値がある場合とない場合
価値がはっきりするのは、次のステップがある場合です。2級へ進む、経理の実務に就く、自分で事業をやっていて自社の数字を読みたい、投資判断のために決算書を読みたい。こういう目的があるなら、3級の学習時間は回収できます。
逆に、資格の数を増やすことだけが目的なら、期待した効果は出にくいかもしれません。3級は「持っていること」より「分かるようになること」に価値がある資格です。
迷っているなら、範囲の軽さを見る
3級は60分・100点・70点合格で、範囲も商業簿記だけです。学習時間の目安は独学で100時間前後とされることが多く、ほかの資格と比べて重い部類ではありません。
判断がつかないなら、まず仕訳を何問か解いてみるのが早いです。簿記3級コーチは全14章のレッスンと仕訳の演習を無料で使えるので、費用をかけずに向き不向きを確かめられます。
よくある質問
- 簿記3級は履歴書に書けますか?
- 書けます。ただし3級だけで評価が決まる場面は限られるため、次に何を目指すかとセットで見られると考えておくと現実的です。
- 独学で受かりますか?
- 受かります。範囲が限られており、市販の教材もアプリも揃っています。合格率は統一試験で30%台、ネット試験で40%前後ですが、対策をした人に限れば実感はもっと高いはずです。
- 2級まで取るべきですか?
- 経理職を目指す、会計の知識を仕事で使うつもりがあるなら2級まで進む価値があります。数字を読めるようになりたいだけなら3級で足りることもあります。